年内に咲かせる!パンジー・ビオラの種まきから育苗までの方法をご紹介
年内に咲かせる!パンジー・ビオラの種まきから育苗までの方法をご紹介
秋の店頭にズラリと苗が並ぶパンジー・ビオラですが、種から育てるとコストパフォーマンスよく苗をたくさん手に入れることができます。
しかし、種から苗づくりをして年内に咲かせるためには、種まきは夏の暑い時期から始めないと間に合わず、すると実は多くのコツが必要となります。
ここでは、年内に花を咲かせる私のやり方をご紹介したいと思います。
目次:
年内に咲かせた方がいい理由
パンジー・ビオラは秋冬のイメージが強いですが、実は春が最もパフォーマンスよく咲く草花です。冬の間は寒さにより成長を止める・または緩慢になります。
そのため、年内に咲かせた花は寒くなるにつれて花から種をつけるところまでなかなか至らないため、花もちが非常に良くなります。
花の少ない冬の時期に咲く花って貴重ですよね!
一方で年内に咲かせることができないと、春まで花が咲かない!ということになります。
花を楽しめる期間が大幅に変わってくるのです。
種袋に書かれた罠?
種まきをする際は、予め種袋の裏面の記載をよく読んでおくことが重要です。
しかし、パンジーとビオラに関しては気が付きにくい「罠」があります!
ここでは、種袋に記載されている内容の注意ポイントをご紹介します。
種まきの時期は早い方がよい
種袋の裏面には「秋風を感じる頃から」「9月中旬頃が最も種まきに適した季節で…」などと書かれていたりしますが、遅いです。
種袋に記載の一覧表では、温暖な地域は8月から種まきできるように見えますね。
年内に咲かせるためには、8月に入ると取り掛かった方がよいです。
遅くとも8月中には種まきをした方が良いですね。
その頃に始めれば、まだ暖かさ残る11月上旬には開花し始めます。
ちなみに、秋に開花株を店頭に出荷される方は、6月頃にはもう始められているようですよ。
発芽適温は18℃~20℃
パンジー・ビオラの種の発芽適温は18℃~20℃です。
これは気温ではなく地温ですが、個人的な印象としてはもう少しだけ低い(17℃くらい)方が発芽しやすいような印象です。
そして、
25℃を超えると、発芽率が極端に落ちます。
え!?
さっきは「8月に取り掛かった方が…」って、夏真っ盛りの一番暑い時期にその温度って無理なのでは…?
さっきは「8月に取り掛かった方が…」って、夏真っ盛りの一番暑い時期にその温度って無理なのでは…?
とお気づきの方、そうなんです!
めっちゃ暑い時期に普通に種まいたところで発芽しないんです。
それをクリアするためのコツを以下余すところなくご紹介します。
種まきのコツと方法
今回は、サカタのタネさんの「よく咲くスミレ ミックス」を育てます。
パンジーの大輪とビオラの多花性を併せ持つ、個人的に最も好きなパンジーです。
準備物
種まきから発芽までに必要なものは以下のとおりです。
- パンジー・ビオラの種(今回は1袋に約40粒入り)×1袋
- クーラーボックス
- 保冷剤(ハードタイプ)×3個
- タッパー
- 吸水スポンジ(セルロース)
- キッチンペーパー
- 温度計(写真のはデジタルですが、普通の棒温度計で可)
- 活力液
- 竹串
- バーミキュライト
- 育苗トレイ
- ステンレストレイ(底面給水用)
- 霧吹き(霧が細かいもの)
ほとんどが100円ショップで手に入るものばかりですね。
活力液は「メネデール」や「HB101」あたりがオススメです。
種袋を冷蔵庫に入れる
8月入ったらすぐ、種袋を冷蔵庫に入れてしばらく保管しましょう。
種を冷やしておくことで、冬だと勘違いさせておきます。
種をまくときに発芽適温にしてやることで、発芽のタイミングを揃えることができます。
土にまかない種まき
私はお盆休みに入るとすぐ種まきしています。
タッパーに吸水セルロースを敷き、その上にキッチンペーパーを敷きます。
メネデールなどの活力液を規定量薄めた水で、吸水セルロースとキッチンペーパーがヒタヒタに浸かるくらい湿らせます。
その上に種をばらまきするのですが、種同士がくっつかないようにしましょう。
竹串の先端を湿らせ、種を竹串の先端に付着させてタッパー内の湿ったキッチンペーパー上にまんべんなく種を置いていきます。
まき終わったらタッパーの蓋を閉じて、クーラーボックスへ👉
種まき後の管理方法
種をまき終わったあとの管理ですが、発芽適温に近づけての管理が必要です。
そこで、
種の入ったタッパーをクーラーボックスに入れ、上から保冷剤を入れて発芽適温の管理をしていきます。
温度管理のために、温度計を入れます。
保冷剤が効かなくなったら保冷剤を交換していく作業を、発芽するまで繰り返していきます。
また、
保冷剤を交換するときにタッパーの蓋を開け、タッパー内の空気を入れ替えましょう。
そのとき種の様子を確認するとよいです。
写真の小さなクーラーボックス+ハードタイプの保冷剤ですと、朝・夕・寝る前の3回ほど交換をするペースがちょうどいいです。
(これがおよそ1週間できるのが、ちょうどお盆休み、というわけです。)
温度管理が難しそう…?
難しくはないですよ!(^^)/
発芽適温は「平均してそのくらいが保てれば大丈夫」と考えて頂いていいと思います。
保冷剤を交換してすぐはクーラーボックスの温度が15℃下回りますが、発芽適温はあくまでも地温が17℃~20℃なので、タッパー越しだといい感じになります。
また、保冷剤の効きが弱まるとクーラーボックス内の温度が25℃超えることもありますが、そのときにはタッパー内の冷えた水温で25℃より低いので、問題ないです。
保冷剤の交換し忘れさえなければ、少々温度が適温オーバーしても大丈夫ですよ!☝
発芽したら
およそ1週間から10日後…
温度管理されたタッパー内の種が発芽すると、白い根っこが伸びてきます。
そのままだと土がないので、育苗トレイで育てていきます。
育苗トレイに移植
種の3倍くらい根っこが伸びたら、育苗トレイに移植します。
育苗トレイにバーミキュライトを入れて水で湿らせ、3~5mmくらいの深さに種を植えていきます。
ここも竹串を使って植穴をつくり、竹串の先端を湿らせて発芽した種を取り、傷つけないよう気を付けながら育苗トレイに移していきます。
なるべく根が下に来るようにしますが、少々横向きとかでも大丈夫です。
上からバーミキュライトを被せ、3~5mm深さで植えたら上から霧吹きでバーミキュライトを湿らせましょう。
このとき、湿らせる水は活力液を規定量薄めたものの方がいいですね!👍
植える深さは、浅すぎるとその後の苗が徒長しやすく弱々しい苗になりやすいです。
深すぎると、芽が地表に出るまでに時間がかかってしまいます。
育苗トレイは底面給水で管理
育苗トレイに移植した種は、明るい窓際で管理します。
日中は冷房が効いていることが多い、リビングの窓際あたりがいいと思います。
育苗トレイの下に受け皿としてステンレストレイを敷き、ステンレストレイに活力液を規定量薄めた水を張って底面給水で管理しましょう。
水がなくなったら、またトレイに水を張ります。
発芽は18℃~20℃前後を保つ必要がありますが、根っこが出てきてさえくれれば、あとは室温で成長してくれますよ!
光は必要ですが、南側や西側の窓など極端に暑くなるようなところだと良くない場合があります。その場合は可能な限り東側の窓際で管理した方がいいでしょう。
植物用LEDライトを活用するのもいいかもしれませんね。
本葉が出てきたら
育苗トレイで育ってきた苗たちも、本葉が出てきたら育苗トレイでは窮屈になります。
その後はポットに移し替えて育てていきましょう。
本葉2枚以上でポットへ移植
本葉がしっかり2枚以上出たら、いよいよポットへ植え替えをします。
移植するポットは、断然スリットポットがいいです。
底面給水で管理の際もスリットから空気が入りやすく、根が健全に育ちやすいです。
オススメのスリットポットはこちら↓
右の写真は2024/9/28のものです。
写真には向かって左奥に肥料が写ってしまっていますが、ここではまだ肥料は与えない方が無難と思います。
病気や生育不良を防ぐためにも、土は新しい清潔なものを使うようにしましょう。
私は鹿沼土の細粒と腐葉土を1:1の割合で混ぜた用土を使っています。
それまでが肥料分のない土で育ってきているので、急な環境変化を和らげ・かつ通気性や保水性を確保するためこのような配合にしています。
ポットに植え付けの際、茎が徒長してしまっている場合は深植えにしましょう。
伸びている部分を埋めてしまうことで、徒長をリセットできますよ!
まずは屋外日陰で管理→日向に移動
ポットに植え替えた苗は、1週間くらいは屋外の日陰で管理しましょう。
それまで室内だったところ、日陰でも空気の流れに当てることでその後の徒長を抑えながらグンと成長してきます。
水管理は、土の状態をみながら通常の水やりを行います。
底面給水管理は終了です。
1週間後、落ち着いたところで日向に移動させます。
8月のお盆に種まきすると、10月初旬頃に屋外日向に出せる感じです。
この頃はまだ日中は暑かったりしますが、大丈夫ですよ。
日向に移動させたら、肥料開始です。
私はこの時期は主にリン・カリ肥料を使っています。
この時期の肥料は窒素を抑えてカリ分の多い肥料を使って根を張らせることで、まだ暑いこの時期でも徒長を抑えながら株を育てることができるのではないかと考えています。
無事 開花♪
右の写真は、2024/10/26に撮影したものです。
チラホラと開花した株も出てきました♪
今回の種袋は種が40個入り(実際には少し多めに入っています)でしたが、今回は37株が育ちました。
なかなかの好成績ではないでしょうか。(^^)/
もうちょっと大きくなったら、寄せ植えなど色々使えそうですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
パンジー・ビオラを種から育てるには多くのコツが必要ですが、是非とも毎年チャレンジしてみてくださいね!(^^)/
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